経済産業省の“DXレポート2”では,DX実現に至る段階を次のように分けている。製造業のデジタル化事例において,デジタルトランスフォーメーションの段階に達しているものはどれか。
デジタイゼーション:アナログ・物理データのデジタルデータ化
デジタライゼーション:個別の業務・製造プロセスのデジタル化
デジタルトランスフォーメーション:組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化,“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革
ストラテジ関連分野・一部改変
ア 3D画像撮影用の高性能カメラを生産ラインに設置し,カメラの前を通過する製造物のデジタル画像をリアルタイムで記録して,出荷検査の証拠データとする。
なぜ違う: 物理的な製造物を画像データとして記録する段階であり,主にデジタイゼーションに当たる。
イ 技術継承のために,生産ラインに設置したカメラと,熟練工の手に装着したウェアラブルセンサーによって,熟練工の所作をデジタルデータとして保存した上で,AIを用いて熟練工の動きをモデル化する。
なぜ違う: 熟練作業のデータ化・モデル化による個別プロセス改善であり,組織横断の事業変革までには至っていない。
ウ 顧客から販売・在庫情報を,部品メーカーから生産・在庫情報をデジタルデータで逐次入手し,AIを用いて複数の需給調整案を高速でシミュレーションすることによって,サプライチェーン全体を最適化する。
エ 生産ラインで取得したデジタル画像データから良品,不良品の特徴をAIに学習させた上で,AIで画像解析を行うことによって,自社の出荷時検品作業を効率化する。
なぜ違う: 自社の検品という個別業務プロセスのデジタル化・効率化であり,組織横断のビジネス変革ではない。
正解: ウ
デジタルトランスフォーメーションは,単なるデータ化や一工程の効率化を超え,組織横断・企業間でプロセスや価値提供を変革する段階である。顧客と部品メーカーの情報を連携し,サプライチェーン全体を最適化する選択肢ウが該当する。
出典:令和7年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 公開問題 問12(段階表をテキスト化)